目標と達成の積み重ね。

遷延性意識障害の母と過ごした7年を振り返り、今だから綴れるお話です😊

2020-01-01から1年間の記事一覧

回顧230【親心】

2016年7月 暑さが厳しくなる前に数時間でも自宅に連れ帰りたいと思い、手動式痰吸引の練習も重ね、娘の帰省に合わせて外出許可ももらっていたが、予定の二日前に微熱があり、当日には39℃まで上がってしまい抗生剤投与が始まった。 外出計画は延期になり、残…

回顧229

相談室から飛び出し、涙目で帰宅すると『手動式痰吸引器』が届いた 早速、開けてみると哺乳瓶ほどの大きさで、ゴムのポンプを握って容器内の空気圧が上下する仕組みだ。電気も要らず携帯も簡単 出先でもすぐに対応出来るつい数時間前に「孤立無援だ…」と悄気…

回顧228【孤立感】

2016年6月下旬。 退院後に入所させてもらう多機能ホームとの三者面談が設けられた☺️ いよいよ新しい生活が始まる 見学した時からイメージを持ち、心構えは出来ている 具体的な日程や準備物等、話はスムーズに進むはずだ歩いて行ける距離のホームで本当によか…

回顧227【手動式】

先生からの推奨と看護師の協力もあって、外の散歩が続いた☺ そこで、師長さんから外出時の痰吸引についての説明があった。 「現在は病室のベッドサイド備え付けの吸引器で練習されていますが、外出には携帯用吸引器を購入する必要があります。それは基本的に…

回顧226【練習】

2016年6月半ば 私が母の病室に居る間は、担当看護師の指導で積極的に吸引の練習をさせてもらえる。 母も上手に咳をして、痰が上がってくるので恐る恐るチューブを挿入することもない。 酸素が下がった時などは看護師が素早く施してくれるので焦らず練習か出…

回顧225【吸引】

6月☔☔ 退院に向けて、主治医からの病状説明 これまでのように自宅で過ごしたり、家族と出かけるには私が痰吸引を習得することが必要であり、母自身も離床やリハビリ、外出練習も充分にやってほしいと積極的な話が出来た☺️個室に移ってから心電図モニターが…

回顧224【節目】

通院口腔リハビリで教わった口腔リハを続けると、少しずつ舌の動きも出てきた 瞼は閉じたままだが触れるとピクピク反応がある焦らずやっていこう 酸素低下のアラームが鳴っても、看護師さんが吸引に来る前に自分で咳をして数値が戻ることが増えた☺️今まで不…

回顧223【真意】

なんとなく、噛み合わないまま話し合いは終わった「節目は作れた?」「しこりは消えた?」と自問自答しながら席を立つ。ある人の助言のように、相手に落ち度がある場合や、憤りや不満の代償はで償ってもらうしかないのか?……いや、そうではない。今まで母が…

回顧222

意識表示がほとんど出来なくなり、呼吸も乱れる母は、痰吸引が増えた。 この状況ではショートステイに戻れない。その場合を想定し、ケアマネさんと多機能ホームの見学に行く。 車で10分程、住宅地の一角にあるそのホームは♿での移動には狭いと感じるが、民家…

回顧221【交錯】

説明を聞いて、家族に伝えるのが辛かった しかし、一番辛いのは母だ。 母の辛さを軽くするために、現実を受け入れて今後に希望を持っていようと話し合ったその翌日、普段通りの明るい挨拶で病室へ入ると、母は酸素マスクから鼻のチューブに変わっていたアラ…

回顧220【説明】

衝撃を受けた翌日。 介護職員から聞いた経緯を、主治医のT先生に冷静に伝わるようにメモに記し、看護師さんに預けた。 午前中の外来診療を終えてT先生が訪室され、「変更した抗生剤の効果が見られ、熱は下がりました。バイタルも安定傾向です。そして…メモを…

回顧219

入院4日目 主治医のT先生が「高熱の原因が特定出来ず申し訳ありません。効果を期待して抗生剤を変更しました。」と知らせてくれ、その素直な表現にとても救われる思いがした先生が手を尽くしてくれている。 母が生きようと頑張っている。 その姿勢が伝わる…

回顧218【目が開かなくなった編】

入院2日目 40℃の熱も下がらす、酸素濃度低下のアラームがしょっちゅう鳴っている。 まだ息が荒く、とてもきつそうなお母さんだが、昨日の無反応と違い、肩や頭を撫でると、瞼に反応がある✨こそばゆいのか、ピリピリするのかはわからないが反応があることに感…

回顧217【絶句……】

水曜の朝。 こんな時間のは、母の異変だと直感する。 ショートステイから発熱の知らせだった。 すぐに母のもとへ駆けつける。ベッドに居る母の表情があまりにも変わり果てて絶句する……。 こんなに土気色になるほどきつそうで、なんの反応もなくて… 異変の時…

回顧216【手を見る】

翌日は入浴♨️ バイタルは異常ないが、真っ赤な手のひらには指先に斑点も出現してきて心配だ。 明日は通院口腔リハビリなのでしっかり診てもらおうと、その日はショートステイの一室で静かに過ごすその火曜日は朝から暑かった☀️ N病院の通院では、海に寄り道…

回顧215

初夏の日曜日 庭の紫陽花がひとつ咲いている 母と一緒に見たくなり、迎えに行く ベッドから♿に移る前にストレッチをしようねと声をかけ、いつものように、右足からほぐしていく。さて、唯一動く左腕をほぐそうと手のひらに触れた瞬間、熱さを感じた。 手のひ…

回顧214【福岡空港✈️】

2016年5月中旬 朝日が注ぐ部屋のベッドで待っている母を迎えに行く ドライブ日和、青空の下、兄も嬉しそうに運転してくれる ショートステイの職員さんの協力もあって無事、9時に出発 福岡空港までの道のりはひどく揺れない運転が心地よく、母もずっと穏やか…