目標と達成の積み重ね。

遷延性意識障害の母と過ごした7年を振り返り、今だから綴れるお話です😊

回顧250【高熱】

転院3日目の土曜日。
外来診察が終わる頃を見計らって病院へ向かう。大部屋の一角のベッドに居る母に声をかけ、手を握ると熱い‼️顔も紅潮している。頭部はアイスノン。「肺炎」の文字が頭の中をぐるぐる走る。看護師さんから「39℃の発熱だったので解熱剤入れました。」と言われた。土曜の午後は医師の診察もなく、対処療法のみ…。明日の日曜と明後日の祝日を無事乗り越えて、やっと火曜に診察だそう。不安がどんどん膨らむ。母に耐えてもらうしかないのか….。耐えれなかったらどうなるのか…?考えるのさえ辛い。
夕食の時間に経管栄養を持って来られた看護師がたまたま知り合いで、会えた喜びを伝えると同時に、不安をぶつけてしまった。こそこそ話ではあったが「月曜までに急変が起きても対応はしないだろう。不安が大きいのはもっともだ。家族がどうにかして連れ帰るくらいの覚悟で師長に言ってみたらどうか。」と言われた。勿論、どの家族にもこんなことは言えないはず。これまでの私の介護を知ってる看護師だからの言葉だった。意見に感謝し、別の看護師に当直医への取り次ぎを頼むとあっさり却下され「(取り次ぎ拒否は)この病院では普通です。」と言われた。……見学の時は、出来る範囲の処置はすると言われたはず。なぜ、抗生剤や痰の検査をしてもらえないのかと誰にも聞けなくなってしまった。面会終了時刻が迫る。私は項垂れたまま動けない。その様子を見ていたらしい、夜勤の男性看護師が、柔らかい声で別室へ誘ったてくれた。「当直医と相談しました。今夜中の移送は無理だが、明日の朝、元の病院から受入可能の返事をもらえたら救急車を手配しますので、転院なさいませんか?それには、今の段階でお返事が必要です。」と言われた。私は、申し訳ない気持ちも持ちながら、大きく、大きく頷いた。まさかの提案だった。理解してもらえて嬉しかった。……今夜一晩頑張ってくれたら安心の病院へ戻れる。そう、母を励まして帰宅することが出来た。また、希望を掴んだ。