目標と達成の積み重ね。

遷延性意識障害の母と過ごした7年を振り返り、今だから綴れるお話です😊

回顧248【長期療養型病床】

2016年10月6日木曜日。晴れ。
台風の被害もなく、転院の日を迎えた。
気持ちの整理は出来ている。もし、転院先での治療が困難な症状が現れた時は、この急性期病院で受け入れると主治医のT先生が仰ってくれたことが一番の御守りだ。「肺炎と尿路感染症が発現の確率が高い。早めの処置が必要。異変を感じたら治療を求めるように。」とのアドバイスも頂き、先生と看護師さんに見送られ玄関を出る。母は病院の送迎車へ乗り込み、私はその後を自家用車で向かう。
約30分の道のり。これから毎日、通うであろう病院に到着。♿では出入り厳しい手動式の玄関を通り病棟へ向かう。書類のやりとりが済み案内してもらうと、母は四人部屋の窓際のベッドに休んでいた。一人辺りのスペースは狭くリクライニング♿は通るだろうかと思っていたら、理学療法士の先生が来られた。これまでの様子をサマリーで把握されていて、離床することもリハビリ計画に入れます、と明るく言って下さる。嬉しかった。
慣れるしかない。急性期病院を卒業したのだから、この環境を楽しもう。
……そう、頭ではわかっているが、エレベーターが20時に停止することを知り、隔離されたような、日常から疎外されたような感じがして「在宅医療」を選択しなかった自分を責めた。
これまで、帰宅するとき母には「また明日ね☺️」と言えたのがその日は「ごめんね。」と言ってしまった。
慣れれば、また外出も可能なはずだ、と希望を持ちながらも涙が溢れる夜だった。