目標と達成の積み重ね。

遷延性意識障害の母と過ごした7年を振り返り、今だから綴れるお話です😊

回顧251【選択】

2016年10月9日、日曜日。朝。
長期療養病床の母のもとへ急ぐ。無事だった。熱も下がっている。師長さんに呼ばれ、転院希望の確認をされた。具体的な言葉はなかったが、「転院せず、ここの病院に残れば今後も同じ対処がなされる。転院すれば、病院の方針に馴染めない者として、ここに戻ることはない。」の意味を含んでいる。迷わず選択は「転院」を選択。救急車の到着までに、全ての荷物をまとめる。「仕事を辞めて在宅医療にしよう。毎日がギリギリの状態になるくらいなら、ずっと一緒に居たい。」と気持ちが固まる。

元々かかりつけだった急性期病院では当直の内科医M先生が受け入れて下さり、内科病棟観察室でモニターも付けての入院になった。別室に呼ばれ説明を聞く。「熱も下がっていて緊急性はないようだからこのまま様子をみて、何もなれれば明後日、元々の主治医のT先生に引き継ぎます。」と言われ、大きく頷く。そして、M先生は「これまでのT先生との関係性をよく知らないので、漠然とした質問になるが、脳死状態の人をこの病院に戻して、この先どうしたいと思っている?いずれは人工呼吸器が必要になるだろう。そうなると、受け入れ病院は県内だとJ病院しかない。医療費も含めてよく調べておいて選択肢に入れた方がいい。」と言われた。脳死状態とドライな感じで表現され、戸惑ったものの、新しい情報をもらったんだと解釈し、深々と礼を述べ席を立つ。先ずは、今日、ゆっくり眠りたい。母も安心したような表情だ。絶望してた昨日がウソのようだ。