目標と達成の積み重ね。

遷延性意識障害の母と過ごした7年を振り返り、今だから綴れるお話です😊

回顧271

2017年。
静かに新年を迎え、母に「明けましておめでとう」を言ったのは病院のベッド。

年末年始の在宅介護を節目として、目標としてきたが6年目は叶わなかった。
それでも、母の生きる力は伝わってくる。

人工呼吸器の規則的な音が響く病室で、新聞と小説を読み聞かせる。正面のベッドの患者さんが見ているであろうテレビから、お正月らしい音声が聞こえる。入院と同時に申込んだ、個人用のテレビはなぜか、未設置。

抗生剤の点滴が始まって以来、一週間の絶食。消化器機能も低下するだろう、低栄養の改善もなく、低体温を起こし顔が白っぽくなった母。居たたまれない気持ちで過ごし、やっと担当医から説明を聞ける時がきた。そこで…「年末から肺炎と心不全が続いている状態。見守るしかない。」と聞かされ、頭が真っ白!見守るしかない…?治療は…?
数秒の沈黙のあと、やっと出た言葉は「家で看護したい」だった。強い言葉でたしなめられた。わかっていたが、その言葉を出すことが母にしてやれる精一杯のことだった。
孤独感が広がる、つらくて苦しい日々。